活動レポート

鼓舞志の会『保育園・地域で創作したお囃子』実践報告会

2005年10月29日

太鼓囃子は、そのお囃子が持つ独特のリズム・型などを受け継いでいくものですが、お囃子によっては八丈島の太鼓や秩父屋台囃子など打ち手のアドリブで創り出す自由な部分もたくさんもあります。
保育園や幼稚園・学校などで太鼓を実践する場合には、型やリズムを伝えるだけではなく、子どもたちの発達段階に合わせて、リズムや打ち方などにさまざまに創意工夫がなされています。今回は、保育園や地域で太鼓を実践する中から創り出されたお囃子の実践報告会です。

参加者レポート

保育園でのお囃子づくり

〔報告者〕伊東愛さん(東松山仲よし保育園)

園に太鼓がなく、保護者に酒樽に皮を張った手作りの太鼓を作ってもらったことから始まり、園の夏まつりでの年長児を対象にお囃子を創作したことなど報告してもらいました。
まずは子どもたちに口伝を出してもらい、そこから考えて作っていったこと。最初の年は「ドンドンドンそれドンドンドン ドーン ドーン ドドンコドン」という口伝で完成しました。また荒馬座の「輝け囃子」を知りさっそく実践したところ、子どもたちの反応は今ひとつ...。そこで笛を使ってメロディラインにのせて子どもたちの言葉を歌詞にしてみたところ、これがとてもよく子どもたちも喜んで叩きました。この間にやはり子どもたちにもまた職員にも生でいいお囃子を見てもらいたいと園で荒馬座を呼んだりしました。そして、冬まつりでまたお囃子づくりに挑戦!どうしても似たものができてしまうなどの難しさも痛感しながらも、徐々に子どもたちにも職員にも「自分たちでお囃子をつくっていく」ことが定着し、基盤ができてきました。楽しみながらがんばって叩く子どもの姿が何よりの励みとなり、また「いろいろな人に協力してもらって成果が形になる喜びを経験。失敗してなんぼ...のもので、苦労して作ったのもは愛しく思えてしかたがないとのことでした。


実践報告する伊東さんと川口さん 保育園で創作したお囃子

地域でのお囃子づくり

〔報告者〕川口宏実さん(高二太鼓)

「地域でのお囃子づくり」ということで、『高二太鼓』の実践を報告してもらいました。
『高二太鼓』とは、高田馬場第二児童館の太鼓クラブで十年以上も続いて叩かれているお囃子で、今回の報告者の川口宏実さんが関わってからは八年目になります。
『高二太鼓』はかけ合いを中心としたお囃子ですが、きまった口伝があるというより年々進化していくものだそうです。年ごとにいろいろな年齢の子どもが加わり、経験者が次へと受け継いでいく、太鼓の前ではみんなが協力し合ういい関係ができています。お互いが共通認識を深め、じっくり深めていく、教える側も受けとめる側を意識し日々試行錯誤しながら作っているお囃子となっているとのことでした。
「伝統を重んじる」のではなく「日々進化を楽しむ!」、とにかく「高二らしい太鼓を叩きたい!」という一言につきるということです。


たかに太鼓1 たかに太鼓2

アンケート

  • 「たいへん参考になった。まずは自分が楽しんで作ることが大切と思った。」
  • 「太鼓を通してつながりを作ることが大切と思った。」
  • 「作る過程が楽しいし、失敗も受け入れる子どもの成長力がすごい。」