活動レポート

「ぴーひゃらどん」 東京都児童会館「2010年第38回夏休み児童青少年演劇フェスティバル」参加作品

2010年8月 1日

2010年の荒馬座の新作、〜 3歳児のおやこ対象小作品『ぴーひゃらどん』。

7月の試演会、川越の乳児保育室「すみれ保育室」での初演を経て、今回の東京都児童会館での上演が、一般に広く呼びかけての初披露の公演となりました。

10:00の回と11:30からの回の2回公演、〜 3歳のおやこ、それぞれ約40組の皆さんに観ていただきました。

写真 親子でにぎわう夏休みの東京都児童会館は、いろいろな遊具や遊びのコーナー、工作コーナーなど楽しいことがいっぱい。その中で1Fホールと4F講堂では「夏休み児童青少年演劇フェスティバル」として、人形劇や児童劇、さまざまな音楽ジャンルの舞台作品の上演がおこなわれていました。

この日に、4F講堂で上演したのが荒馬座2010年新作の『ぴーひゃらどん』。
〜3歳児のおやこ対象ということで、ベビーカーを押したお父さんや、お子さんを抱っこしたお母さん、ご両親やお祖父さんお祖母さんに手を引かれて三世代でと、三々五々お出でいただいた40組のおやこの皆さんがそろったところで、『ぴーひゃらどん』がはじまりました。

写真 三人衆が、「春を呼ぶはやし」にのって入場。聞こえてくる楽しげなお囃子に子どもたちはそれぞれ興味津々。『ぴーひゃらどん』のうたが、始まりました。

♪ みんなで遊ぼう 〜ひゃらどん ♪
♪ みんなで囃そう 〜ひゃらどん ♪

こどもたちがお囃子と唄にすっかりとけ込んだところで、にぎやかなお囃子とともに「春駒舞」の始まりです。

♪舞込んだ 舞込んだ
みんなの笑顔で 福の神様 ニコニコ笑うて
春駒が舞込んだ♪

馬の頭の付いた棒とシャンシャン鳴る鈴を持って唄い踊る女性の演者に子どもたちも楽しそうに身体を動かしていました。

写真 次は、舞台の脇に置かれていたキラキラと彩り鮮やかな傘を持って「シャンシャン傘踊り」の始まり、唄と太鼓に合わせてたくさんの鈴を鳴らしながら傘を振っての雨乞いの踊りです。

♪ 雨よ降れ降れ 大地を潤し
豊かな稔りを願い申す♪

踊り終わると、どこからか雨の音が聞こえてきました。
キョロキョロと音の出る方を探す子どもたちでした。

写真 そして、舞台に黄色いまん丸いお月様が登場して「秋はお月見」。
その中で唄われるのが、「月ぬかいしゃ」「なみなみわんわちゃくり」「こーじゃー馬ぐぁ」「赤田首里殿内」「花の風車」などの沖縄のわらべ唄。
子どもたちに波に見立てた水色の布をふんわりと投げかけたり、子どもたちと手に手を取って踊ったり、馬の列を作って歩いたりしながら、子どもたちに耳で聞いて身体でを使って感じて楽しんでもらいました。

写真 さて、「ヒューッ」と急に寒そうな風の音がしてきました。冬が来て、雪も降ってきたようです。ムックリという楽器も寒い冬の風のように響いてきます。
そんな中で、アイヌのうたと踊り、鶴の舞(チカップネ)。トンコリという絃楽器が静かに響き、寒さの中でお母さんのぬくもりに包まれるような子守唄(イフンケ)。子どもたちもやわらかに踊りや唄を受け止めて雰囲気に静かにひたってくれました。

さあ、舞台の最後は「みんなでぴーひゃらどん」。
笛・鉦・太鼓で「水口囃子」、にぎやかなお囃子で盛り上がったところで、みなで『ぴーひゃらどん』の唄を歌っておしまい!

写真 帰り際には「太鼓叩きたい人寄っといで!」と子どもたちに太鼓を叩いてもらったり、鳥笛の音を聞いてもらったり。〜3歳の子どもたちがそれぞれ目をまん丸くしたりキョロキョロしたりして、しっかり舞台に集中してくれたやわらかな雰囲気のひとときでした。

アンケートより

  • 小さな子どもたちが食い入るように舞台を見つめていました。目がキラキラ☆していました。誰一人ぐずらないので、すごいと思いました。今日は特に『ぴーひゃらどん』の唄が気に入って笑顔でのっていました。
  • いろいろな楽器がとても興味深く、見たことのないものが多かったので、私も見入ってしまいました。日本の楽器のシンプルな音が、ちいさな子どもにはちょうどいいと思いました。うちの子どもたちも聞き入っていました。
  • 〜3歳の子どもたちがこんなにも集中して観ているなんて...感激です。小さな音、心地よい音、耳をすます音。言葉ではなく音で、笑顔で語りかけるような時間の流れに感激しました。最後は思わず立ち上がって踊りたくなりました。そんな終わり方もいいですね。洗練された内容でした。
  • 演者の方がとても近く、子どもたちもよく集中してみていたと思います。ひとつひとつの演目の長さや時間も程よく、また楽器を始めとした道具などもよく工夫されていて、子どもがそれぞれを目で追っていたのが印象的でした。上演時間、会場の広さ、客席数など、小さい子どもたちが落ち着いて楽しむことができたと思います。
  • 乳児向けのやわらかい内容で、会場の子どもたちも無心で、夢中で自然と見て楽しめていました。心和む時間でした。
  • いろいろな音で四季を表現して、子どもに想像させることがすばらしいと思いました。今まで見たことのない子どものリアクションが見られ、たいへん楽しめました。
  • 〜3歳児向けのとてもよい企画だと思います。楽しかったです。太鼓、うた、笛、鉦、あそびと、会場の子どもたちもおやこで楽しめたようで、とてもよい雰囲気でした。大人もずーっと笑顔でいられました。
  • 年齢が限定されているので子どもたちも気兼ねなく楽しめていました。始めはとまどいもありましたが、特に後半はノリノリでした。
  • 舞台から自然な雰囲気で、少しずつ唄や踊りが客席のおやこに広がっていくのを感じました。ゆったり、ゆるやかな、安心感のある空間と時間を楽しめました。
  • 子どもは始まる前は会場の雰囲気にのまれて、少しグズっていたのですが、公演が始まると、目がキラキラ☆!次第に身体も動き出し、『こーじゃー馬』の時には会場内を走り回っていました。小さな子どもの感性にすごくフィットする公演で、とても楽しかったです。
  • 0歳の子どもも、身体を動かして楽しんでいる様子が見え、大人も楽しみました。じっくり見る場面、シーンと一緒に身体を動かす場面があり、子どもたちの静と動が見えました。楽器のシンプルだし、客席に花道があり観客を巻き込んで一体化した雰囲気もよかったです。最後にも子どもたちが楽器で遊べたのもよかったです。
  • 8ヶ月の子どもがすでにお腹が空いている時間でふだんならグズるのに、舞台に目をまん丸くさせて、音の鳴る方をキョロキョロしながら真剣に観ていました。子どもにとってはすごく刺激的な舞台だったのだと思います。

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