活動レポート

荒馬座準座員創立25周年記念公演『道 - 道連れに道草しながら歩み続けて』

2009年1月31日・2009年2月 1日

荒馬座準座員」創立25周年にあたって、記念公演『道-道連れに道草しながら歩み続けて』を上演しました。ふだんは3つの部に分かれて活動している演技部・企画制作部・美里準座員のメンバーが、力を合わせてこの舞台を創り上げました。

2009年1月31日(土曜日)に練馬文化センター小ホール、2月1日(日曜日)には美里町遺跡の森館ホールで、両会場とも満席のお客さんを迎えました。

働くものの文化を働くものの手でつくろう!」と、他に仕事を持ちながら地域や職場で太鼓や民舞の輪を広げて荒馬座の活動に参加してきた準座員。その四半世紀の活動の集約とも言えるこの大舞台に、満席のお客さんからは共感度の高い熱い拍手が送られていました。

第一部

◆準座員木遣り「どーんとこい」
安達元彦さんの作曲で準座員が詞を出し合って創作した曲です。客席のお客さんを回りから包み込んで会場全体に響かせて、準座員の心意気を唄い上げました。

◆水口囃子
準座員公演に初めて参加する「美里準座員」のお披露目の演目となりました。

◆百姓踊り
さなぶ〜さんさ踊り
演技部準座員による「百姓踊り」。さまざまな農作業の様子を表し、協同して労働に励む喜びを込めて、楽しく踊りました。
続けて、企画制作部準座員が「鼓舞志の会」などを通して踊り込んできた「さんさ踊り」を披露しました。

◆寿太鼓
壱の曲 若囃子舞
弐の曲 獅子
参の曲 寿翔
演技部準座員と美里準座員が合同で取り組みました。

第二部

◆荒くずし舞
演技部準座員が準座員公演で踊り続けてきました。

◆語り
仕事や生活の中での準座員活動にまつわるこもごもを、言葉にのせて語りました。今を生きる準座員の実感のこもった語りに客席から熱い共感が伝わってきました。

◆元気一番太鼓
企画制作部準座員が、地域公演実行委員会などで取り組んできた太鼓囃子です。

◆沖揚げ音頭
男性陣総出演で、男たちが力を合わせて荒海に漁に臨む心意気を唄いあげました。座員にも出せないような渋い雰囲気と大群舞が好評でした。
「ソーラン節」では、演技部準座員の女性陣が、浜のおかみさんになりきって、大漁の喜びにわく浜のにぎわいを踊りました。

◆ぶち合わせ太鼓
三部合同で、大漁にわきかえる浜の様子を、にぎやかな太鼓囃子に込めて叩き上げ、準座員公演を締めくくりました。

この公演を糧にまた新たな一歩を!  企画制作部準座員 青野淳子

十周年を機に始まった「準座員周年記念公演」も4回目となりますが、今回初めて3部合同、2日間続けて2会場で公演しました。
この公演に向けて、1年半ほど前から準備を進めてきました。ふだんはそれぞれの活動を展開している3つの部の準座員が一緒に話し合いや稽古をし、互いに刺激を受け合い、交流を深めながら舞台を創り上げていきました。このことは私たちにとって本当に大きな収穫となりました。

当日は、おかげさまで2会場ともほぼ満席、温かい拍手とご声援、そしてたくさんのご感想をいただきました。中でも特に印象的でうれしかったのが、「荒馬座になぜ準座員があるのか、今日の公演を見てよくわかった。仕事をもちながら活動をすることの素晴らしさを感じた。」、「『準座員木遣り』がとてもよかった。準座員ならではの歌だと思った。」という感想でした。私たちの舞台を通して「働く者の文化を働く者の手で作る」ことの意義と素晴らしさを感じてもらえたのだと思ったのです。

これまで支えてくださった方々、そして座員・準座員の仲間たちに心から感謝し、この公演を糧にまた新たな一歩を踏み出していきたいと思います。

勇気と感動をありがとう! 『道』演出担当・荒馬座演技部 岡田 仁

準座員創立25周年記念公演は、まさしくこの25年間の準座員の活動の蓄積が花開いたものとなりました。荒馬座の一番身近な支援者として、理解者として、自分の生き方と合わせて荒馬座都ともに歩み続けてくれる60名を越える準座員が舞台にあふれんばかりに並ぶさまは、何よりも座員を勇気づけてくれました。
さらに、ひとりひとりが準座員活動に誇りを持って立つ姿は、荒馬座が進めてきた活動に確信を与えてくれるものでした。

2日間連続の公演は、準備段階も含めて、準座員の皆さんには厳しい日程となったとは思いますが、演技部・企画制作部・美里の3部が連携し協同しての総合力で乗り切り、多くの人たちに舞台を観てもらうことができたのは大きな成果であり、また次の一歩を踏み出す土台になったことを実感しています。

今回出演できなかった準座員の皆さんを含めて、荒馬座とともに歩んでくれる準座員の皆さん、勇気と感動をありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。

アンケート

  • 座の舞台とはまた別の、働く人たちが演じている準座員公演という特別な舞台をみせてもらいました。この準座員に支えられての荒馬座、そして荒馬座が伝えたい思いというのが準座員につながり、また社会にひろがるという形を、また新たな思いで強く感じました。来てよかった。
  • イキイキしている皆さんの姿がとてもステキでした。日頃は、「こんちくしょう...」と思うことも、報われないとがっかりすることもあるでしょうね。でも皆さんにとってこんなにも幸せを感じられるものがあるってことにうらやましい!これからも大切にして感動を人々に与えて下さい。
  • 全員でうたう唄は、かけあいもあって元気で楽しく一緒に唄いたくなりました。語りは、いろいろな思いを持っている人たちが準座員として活動していることが伝わってきて、とても勇気づけられました。「ぶち合わせ太鼓」は途中で思わず声をかけてしまうほど、ノッていて楽しかったです。ホントにすてきな舞台でした。
  • 心通い合う舞台!皆さんの伝えたいメッセージが熱く伝わってきて、本当によかったです。今こそ準座員の力を発揮して、世の中に元気をみなぎらせて下さい。
  • 衣装や小物などの色の取り合わせが、日本の色合いだなあと...改めてそのキレイさに見とれてしまいました。
  • 開幕の「準座員木遣り」で会場全体が包み込まれる感覚がよかったです。構成・演出がよく、大人数のよさ、一人一人の見せ場が感じられました。演じている全員が心から楽しんでいる姿が伝わってくるので、こちらも楽しくなりました。
  • 「水口囃子」はあの人数でやる楽しさ、それからあっちでもこっちでもいろいろな形のかけ合いがおもしろかった。「寿太鼓」の「若囃子舞」は、あの重い締め太鼓を持ち上げたり回したりしながら踊りながら叩くのはとてもたいへんだろうなと思ったが、とにかくとても楽しそうに舞うのがスゴイ!「沖揚げ音頭」は男性だけで男声だけの迫力や海の男の仕事っぷりのかっこよさ、おもしろさがあった。「ぶち合わせ太鼓」も囃し囃されて三番太鼓まで気持ちよくテンポが上がり、観ていても気持ちが盛り上がってきました。
  • 「沖揚げ音頭」が男たちのシルエットがかっこよかったです。鳥肌立ちました。笛と唄もキレイでした
  • 唄のハーモニーがとてもきれいでした。人の声が最良の楽器であることを再認識しました。「百姓踊り」では手踊りなども農業の風景が見えてきました。「民族芸能は生きるためのもの...」私もそう思います。
  • 人の匂いのたくさんする公演でした!
  • ここまでの「道」をたどるのに努力を積み重ねてこられたことでしょう。今日の舞台で生き生きとした皆さんに出会えたことが嬉しかったです。何より「元気」なのがいい!私も人との出会いを大切に笑顔を忘れずに歩んでいきたいと思います。
  • ふだんはそれぞれの場で地道に活動している準座員の皆さんが気持ちを合わせてこの舞台を作り上げているのだなと感じ感動しました。日々の仕事、稽古と長年続けてきた、積み重ねてきた準座員の方々の大きな思いが、一打・一振・一足に込められているなだなと思いました。最後の木遣り、心に響きました。