活動レポート

あとりえ企画シリーズ 2010平和のつどい「日・中・韓、東アジアから未来へ」

2010年9月23日

2010年9月23日(木曜日・休)に、荒馬座あとりえ企画として、2010平和のつどい『日中韓、東アジアから未来へ!』をおこないました。

今回の「平和のつどい」は、第一部には、「平和への絆」として、平和への思いを込めた荒馬座の「八丈島の太鼓囃子」と、矢崎光晴さんとの「蒙古踊り」、荒馬座の金子満里による「撫順の旅」報告。

第二部には、朴慶南(パクキョンナム)さんに「サラムとサラン

第一部

平和への絆-「蒙古踊り」・「沖縄の唄と踊り」・「太鼓囃子」など

第一部の開幕は「八丈島の太鼓囃子」。荒馬座が創立当初から平和への願いを込めてさまざまな場で叩き続けてきた太鼓です。

続けて、スライドを観ながら、戦時中に日本兵として中国華北地方で強制連行作戦に関わり、敗戦後「撫順戦犯管理所」で中国側の人道的な対応によって「鬼から人間へ」と戻り、帰国後は戦争の加害体験の語り部として平和活動に力を注いできた故矢崎新二さんの足跡をご紹介しました。矢崎さんは荒馬座の創立にも関わり、以来荒馬座を支える大きな力となって、1997年に逝去されるまで熱く応援し続けてくれた方です。

今回の「平和のつどい」では、その矢崎さんが中国で身に付け踊り続けた「蒙古踊り」を、荒馬座と矢崎光晴さんと一緒に踊りました。

矢崎光晴さんは、幼少の頃よりお父さんの新二さんの戦争展での証言や「中国帰還者連絡会」での平和活動にふれて、学生の時から「平和のための戦争展」に参加し、以来父子で日中友好協会の活動に携わってきました。 父新二さんから踊りを習い、現在は「日中友好協会」の事務局長として活躍する傍ら、この「蒙古踊り」を受け継いで踊り続けています。
光晴さんは「日中関係は今現在もたいへん緊張した状況になっていますが、文化こそが平和をつくる力です!」と荒馬座とともに歩んでくれる思いを語っていただきました。

併せて、先の6月に光晴さんと一緒にともに、「撫順戦犯管理所設立60周年式典」に参加してきた 座員の金子満里の報告もおこないました。歴史に学び、矢崎さん父子の思いをしっかりと受け止めて、荒馬座の演技者として平和への願いを込めた舞台を届けていきたいという思いを述べました。

第二部

朴慶南さんをお迎えして

プロフィール...鳥取県生まれの在日コリアン二世。エッセイスト。
「心温まる出会いの達人」として、いい人やいい話にふれると黙っていられず、講演やエッセイを多くの人に伝え、日本と韓国の架け橋となる活動を旺盛に展開している。
著書に「クミヨ」「ぽっかり月が出ましたら」「命さえ忘れなきゃ」、近著「サラムとサラン」など多数。1992年に「ポッカリ月が出ましたら」で社会・文化活動に優れた業績をあげた在日コリアンに贈られる「青丘文化奨励賞」受賞。

エッセイストで講演でも引っ張りだこの在日コリアン二世の朴慶南さん。

荒馬座のあとりえ企画にお迎えしての講演も二回目となりました。
今回もたくさんのエッセイや取材の中からから興味深いエピソードなどを紹介していただきました。キョンナムさんは、平和のためには、私たち一人一人が勇気と知恵を持って、時のメディアや権力に扇動されることなく、自らの判断で声を上げていくことの大事さを、エネルギッシュに明るくイキイキと語ってくれました。

その明るいエネルギーをいただいて、最後は荒馬座の「エイサー」からご来場の皆さん全員で一緒に「カチャーシー」。光晴さんとキョンナムさんも踊りの輪に加わってくれて、楽しく踊って今年の「平和のつどい」を締めくくりました。

アンケート

  • 朴慶南さんのお話は心動かされ、明日からのエネルギーと元気をもらいました。
  • キョンナムさんのお話を聞いて、真実を見る目を育てていきたい、自分に何ができるか考えたいと思いました。。
  • 矢崎さんの、「戦争は人を鬼に変える。」という生々しい話...。でも矢崎さんが言われたように文化の力を大切にして、キョンナムさんの言われたように勇気と知恵を持って、大きな力にも扇動されることなく、一人一人が声を大にして平和な世界をして守りたいと思いました。。
  • 矢崎さんの話で、文化が精神の生命を支えるものだなと感じられました。「世界平和」はまずは隣の人の笑顔から!と思っていました。目の前に今いる人をどうしたら笑顔にできるかを考えること!「平和」と大きな言葉で考えなくても、そういうことからでいいのかなと思っていました。今回のお話を聞いて、それでよいのだと身の回りでと改めて思うことができました。。
  • 戦争は人を変えてしまう。お互いを、戦争をする方も被害を受ける方も、一生背負って生きていき生かされていくと本当に思います。いろいろな意味で世界がつながった平和のつどいでした。。
  • 知らなかったことが、たくさんありました。自分も在日としてもっと知らなければいけないと思いました。。
  • 金子満里さんの『撫順の旅』の報告に加え、矢崎光晴さんの話に当時の中国の人たちの素晴らしさを改めて感じました。現在の中国とのいざこざが少しでも早く解決すればよいと強く思います。朴慶南さんのエネルギッシュな語り口の中に込められた在日コリアンの悲劇の歴史の話はもっともっと知らねばならないと思う、とっても大事なお話でした。