活動レポート

荒馬座新春公演―囃し囃され荒馬まつり【東京都武蔵村山市】

2015年1月31日

2015年1月31日(日曜)に東京都武蔵村山市で、武蔵村山市民会館さくらホールを会場に「荒馬座新春公演―囃し囃され荒馬まつり」を上演しました。

武蔵村山市民会館主催の公演企画で、開幕にはこの日に向けて地域で練習してきたワークショップ参加者による「輝け囃子」が披露されました。

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武蔵村山にも、文化の花が咲きはじめたよう...!武蔵村山市民会館 大場義明

たしか6、7年前の夏休みに渋谷の東京都児童会館で開催された「おやこ太鼓ワークショップ」を見学したのが荒馬座との最初の出会だった。参加する側も教える側も表情が自然でやさしく、喜びを体いっぱいに表現しているさまが伝わってきた。
それ以来、伝統芸能にふれることで、文化・芸能が持つ『交流』で街づくりや地域全体に活力を生み出し、次世代へ伝えていく企画として、「ホール」「学校」「地域」それぞれと連携しての荒馬座公演ができないか...と模索し始めた。

そして、2014年度、年度始めに武蔵村山市内の小学校・中学校に、「荒馬座の太鼓体験ワークショップと2015年1月に開催する本公演に、地域の方々と一緒に参加しま せんか!」という提案をした。武蔵村山市立第七小学校の校長先生からの「ぜひ、七小で!」という申し出を受け、2014年11月に七小の4年生全児童を対象に太鼓体験と鑑賞の特別授業が実現した。ほとんどの子どもたちは和太鼓にふれたことがなく、大きな刺激になったようだ。

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特別授業の際には、「太鼓の皮は牛、周りの木はケヤキ、みんな生きています。そこから命をもらって、この楽器ができあがりました。だから大事に心を込めて叩いて下さい。そして思い切り楽しんで下さい。」という荒馬座の講師の方の言葉があった。子どもたちの表情がやわらぎ、すーっとその言葉が体に沁み入ったように思えた。
『ソーラン節』では、荒馬座の唄や踊りに加えて、校長・副校長・太鼓クラブ顧問の先生方が太鼓を叩いての飛び入り出演。全校児童がひときわ熱心に見守り、拍手喝采!「オール・七小」で取り組んだ特別授業はまぶしく輝いていた。

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本公演の当日。武蔵村山に古くから受け継がれてきた東京都指定無形民俗文化財「薬師念仏鉦はり(双盤念仏)」が宿薬師念仏鉦はり保存会の皆さんによって特別に奉納演奏された。
続いて「オール・七小」の代表、「身体障害者福祉センター」代表、「のぞみ福祉園」代表、総勢30人と荒馬座がひとつになって練習を重ねてきた『輝け囃子』をこの舞台で披露し、満席のお客さんから大喝采をあびた。

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そして待ちに待った荒馬座。新春の趣きに満ちた『はしご乗り』『獅子舞』を始め、迫力にあふれた四尺の大太鼓での『八丈島の太鼓』、躍動感あふれる『荒馬踊り』、『竿灯』、『秩父屋台囃子』など、キレとスピード感ある太鼓や踊りの数々、まさにプロの技で観客を魅了した。

満員の客席からの拍手が鳴り止まぬ中、荒馬座からお客様への感謝のご挨拶をいただき、終演の緞帳が切られた。出演者みんなで創り上げてきた終わりの瞬間。伝統芸能を楽しみ、体験し参加参加することで、少し希薄になっていた地域コミュニティが活性化した瞬間だった。幾度の練習を乗り越えた子どもたち、障がいを持つた方々。 これまでのことを振り返ると胸が熱くなり、舞台から降りてきた荒馬座の方々に私は思わず手を差し出し、そして抱き合い感謝した。

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七年越しの願いが実現し、新春にふさわしい彩と未来へのかけがえのない贈り物をいただきました。心より感謝申し上げます。武蔵村山にも、文化の花が咲きはじめたようです。

主催:
武蔵村山市民会館

共催:
武蔵村山市教育委員会

後援:
武蔵村山市/武蔵村山市社会福祉協議会

協力:
武蔵村山市立第七小学校

制作:
(株)ケイミックス

上演プログラム

獅子舞荒馬踊り秩父屋台囃子八丈島太鼓エイサーソーラン節ぶち合わせ太鼓/竿灯