活動レポート

足尾の山へ、みらいへ、子どもたちへ、平和へ! 足尾植樹「みらいへのまつり2008」

2008年6月11日

足尾植樹も6年目。「みらいへのまつり」実行委員会と「荒馬座後援会」との共催企画にもなり、今年は国土交通省の助成も受け、毎年の積み重ねが着実に広がっています。

写真 煙害ではげ山になった足尾(現栃木県日光市)の山に、子どもたちと一緒に木を植えるようになってから6年がたちました。
始まりは2002年『母里のまつり森の詩』の栃木公演実行委員会の取組でした。
「木を植えよう」「いのちは生かし、生かされあっている」という作品のテーマを深め、取り組み手がふるさとの環境問題を考えるきっかけにもなるとよいと考えた出演者の一人が、日本の公害の原点「足尾」に木を植えることを呼びかけたのでした。
この提案への実行委員会の対応は早く、さっそく地元で植林活動を続けているNPO法人「足尾に緑を育てる会」に連絡をとり、実行委員がかかわっている保育園や学童に声をかけて「体験植樹」が始まりました。

写真 木を植えることと芸能体験をセットで行うことがこの取り組みの特徴でした。一緒に木を植え、ご飯も食べ、そして木と子どもたちの成長を願うまつりをしよう、と「みらいへのまつり」というすばらしい名前もつけました。

写真 「育てる会」の方は初め「保育園の子どもが木を植えるなんて無理だし、意味を理解できない」と渋っていました。
「育てる会」は、何千人も参加する植樹デーや、学校や企業での植樹の体験はたくさんありましたが、幼児の植樹は今までなかったからです。
今では漁協の人と協力して川をせき止めて「マスつかみ」を企画してくれたり、子どもが渡りやすいように即席の橋を作ってくれたり、子どもたちと過ごすこのひとときを楽しんで下さるようになりました。

写真 そして、今年は国土交通省の「水と緑の森林基金」の助成も受けられることになったり、参加する保育園も増え、400人もで木を植えました。
親子で木を植える姿は感動的です。お父さんが穴を掘り、一緒に苗木を植え、丁寧に丁寧に土をかけ、水をやる子どもの顔は真剣で願いに満ちています。
写真そして、卒園してから自分が植えた木に会いに来る子どもも増えました。二歳から保育園でどんぐりを育てて、年長になったらそれを植えに来る、という保育園もあります。

写真 「木を植え、マスつかみをし、荒馬座と一緒に叩いたり踊ったりする、それらの体験のすべてが楽しい思い出として子どもの中に刻み込まれていく、どんな言葉より、この体験が大切なことを伝えることになるのよ!」とこの取り組みを事務局として引っ張ってきた保育士の斎藤由美子さんがしみじみと語っていました。

民族歌舞団荒馬座 制作部長 貝塚 理子