活動レポート

第25期研修生修了発表会 「十八人絵」

2006年12月24日

2006年度の荒馬座第25期研修生は4月から12月までの約9ヶ月間、毎週火曜日の夜に板橋の荒馬座の稽古場に通い、太鼓・踊り・唄などの稽古を続けてきました。
研修期間の総仕上げとして2006年12月24日(日)に江東区文化センターで「修了発表会」をおこないました。
修了発表会は、満員の観客を迎え大成功に終わりました。

【プログラム】

ソーラン節
ぶち合わせ太鼓
酒屋唄
秩父屋台囃子
荒馬踊り
秩父屋台囃子
貝殻節
ぶち合わせ太鼓













※この9ヶ月間、研修生の18人のメンバーとともに稽古に汗を流し苦楽をともにした研修生担当講師からのレポートです。


「十八人絵」鮮やかに! -荒馬座第25期研修生を終えて-

 修了発表会のテーマ「十八人絵」は、一人一人が自分の色を出し、ひとつの絵を十八人で、この発表会で描こうという思いです。文字通りくじけそうになった人も、「十八」がテーマに入っている限り一人も欠けてはいけないと、研修生同士をより強く結びつけるものでした。
 地域や職場・学校などで、一人一人が輝き、人と人がつながる太鼓や踊りの指導者を養成することが荒馬座の研修生制度の目的ですが、近年、応募者の動機の様相は、少し変わってきました。太鼓や民舞を伝える対象は持ちつつ、「本当の自分って何だろう?」と自己を見失いつつある状況をなんとかしたいということです。これは今の社会状況をあらわしていると思います。彼らの多くは、前年の研修生の修了発表会を見て、集団の仲で輝く個の姿を目にして、ここでなら自分を見つけられるのではないかと研修生になりました。思いっきり身体を動かし頭でわかっているつもりでもすぐにできない自分と向き合い、しかし、一人ではできない太鼓や踊りを通じて、「自分は仲間に支えられながら前に進みつつある!」と感じてきたようです。

 「修了発表会」はそれまでの稽古の内容から言えば、それは飛躍的なものでした。
なかなかはじけることができなかったのですが、それぞれのつながりから集まってくれた満席のお客さんの声援を受けて、一人一人の色を輝かせていました。今、研修生を取り巻く社会状況、職場などでの人間関係などにはたいへん厳しいものがあると担当座員一同痛感しています。精神的な疲労から健康状態にまで支障をきたす人もいました。人と人がつながることは簡単ではないけれど、太鼓や踊りを通しての「目を合わせる」「かけ声をかけ合う」、また自然にそうしたくなる生身の関係の在り方に触れ、各々自分の場所での人との関わりについても改めて考え始めたようです。
 私自身、一演技者として研修生に関わることで、たくさんのことを学ばせていただきました。
 第25期研修生を終えられた皆さん、たくさんの人たちに支えられてここまで来たことに、感謝の気持ちを忘れず、得た力を生かして歩き続けて下さい。

〔第25期研修生担当〕小林 幸子













アンケート

  • 「一人一人の生き生きとした姿に、感動、感動でした。今の時代、思いきりひとつのことに取り組むこと、仲間と一緒に創り上げていく感動が得られること、とても貴重なことだと思います。最高の宝物ですね。大切にして下さい。」
  • 「皆さんの一年間の成果が、太鼓の力強さとして伝わってきました。一人一人が自分と向き合って日々を送り、ひとつの形として今日の発表会を成し遂げた晴れ晴れとした空気も伝わってきました。仲間ってすばらしい!」
  • 「元気になりました!皆さんの笑顔とかけ声、熱い思いが伝わりました。私もがんばります!」
  • 「いちばん実感したのは、18人全員の団結力と生命力あふれる力強さ、そして何よりも笑顔の良さでした。客席から見てもほれぼれして、骨身にグッと来ました。」
  • 「力強く元気いっぱいの皆さんの姿を見てとても感動しました。舞台の上で、仲間同士目を配り当たりするところがとてもいいですね。太鼓や踊りの技術だけでなく、思いを発表する場なんだということがしみじみ伝わってきました。」
  • 「一人一人の想いの強さ・力強さを感じた発表会でした。今まで、どれだけの練習を重ねてきたのかを思うと、涙が出てしまうほど感動しました。『自分はみんなに支えられている。そして自分も誰かを支えている。』という言葉が印象的でした。」
  • 「人と人がぶつかり合うことの少なくなった最近で、お互い本気でぶつかり合い、自分の思いを伝えてきた仲間のつながりの深さを見ることができたように思います。お疲れさま!」
  • 「18人という集団の中でそれぞれの個性を輝かせている皆さんの姿にとても感動しました。見ている私も自分の中に熱いものを感じました。力強さだけでなくやさしさも込められている印象を受けたのは何故でしょう。皆さんがお互いに思いやって今日のこの日を迎えられたからかもしれませんね。」
  • 「とにかく感動しました。一人一人の想いがたっぷり伝わってきました。しっかり背すじを伸ばして生きていこうと感じました。」
  • 「開幕から、涙・涙...でした。一人一人のメッセージが確実に伝わりましたよ。太鼓や踊りに込めた皆さんの情熱と勇気に大拍手です。」