活動レポート

『大安寿太鼓』十周年 ふるさとの陽気で明るい太鼓を響かせて

2002年4月 7日

1991年に、旧三重県大安町(現「いなべ市」)教育委員会の依頼で荒馬座で作調を担当しました。

地域に伝わり棟上げ・披露宴などのお開きには必ず唄われたという「北勢伊勢音頭」。その心意気を通わせながら、俵をかついで力比べをした若衆をイメージして、力自慢の若者たちが小太鼓を振り上げ叩きながら大地を踏みしめて踊り五穀豊穣を願う「若囃子舞」・足さばきも軽快な獅子あやしに先導されて大獅子が舞う「獅子」・四尺の大太鼓と中太鼓のかけ合いが際だつ「寿翔」の三曲で構成しています。

町名にふさわしく、「天下太平」「万民安楽」を願う寿ぎの太鼓として、関西の人々らしい明るく弾けたような雰囲気のお囃子となっています。

町市内の各種イベントへの参加、町市外へのイベント出演、近隣の太鼓グループとの交流などおこない、2002年4月には創立十周年記念「和太鼓の祭典」をおこないました。荒馬座創立三十周年記念公演『あした葉のうた・大地耕すとき』・四十周年記念公演『誓い新たに』にも、地元を上げて大安での地域公演として取り組んでいただきました。
2003年に大安町は周辺町村との合併で「いなべ市」となりましたが、その後もかわらず、ふるさとの伝統芸能や文化、自然を再認識し、心の豊かさを養い、自慢と誇りの持てる地域作りの一助となるようにと、創立二十周年に向けてさらに活動の幅を広げています。

『大安寿太鼓』十周年記念「和太鼓の祭典」を終えて

写真 1991年に荒馬座が作調した『大安寿太鼓』(三重県員弁郡大安町)が十周年を迎え、2002年に盛大な記念公演がおこなわれました。荒馬座も演技者全員でお祝いにかけつけました。

『大安寿太鼓』十周年記念実行委員会  小林 政俊さんより

写真 1992年の4月、満開の桜の下で『大安寿太鼓』は産声を上げました。それまで手に豆を作り一生懸命に練習に取り組んできた、そしてこの一大事業を企画し発足させた皆の力の成果が、ひとつの新しい文化としてこの世に生を受けた瞬間でした。

あれから十年の月日が流れ、この4月7日に大安町文化会館の舞台で、町内外の十団体を迎えて「和太鼓の祭典『大安寿太鼓』十周年記念」が盛大に開催できましたことは、関係各位のご支援、ご協力のおかげと深く感謝しております。特に遠方の地より華を添えていただきました『神川豊穣太鼓』『生坂龍翔太鼓』『会津鶴ヶ城太鼓』『式根島大漁太鼓』の皆さんには、本当に心から感謝申し上げます。

写真 当日は朝からあいにくの雨模様。桜は今年は例年になく早い満開を迎えてすでに葉桜状態。はたして開演の午後一時にそれだけの人が七百席の座席に座っていてくれるのやら。その不安と心配は、開演十五分前あたりから安心と希望に変化していきました。途切れることのない人の列に十年のふれあいを思い出し、これから始まるオープニングに胸をときめかせながら、伊勢音頭の心意気を通い合わせての祭典の幕が上がりました。

記念公演から二週間が過ぎて当日会場でお願いしたアンケートの整理をしながらこの原稿を書いていますが、アンケートの内容はどれも「感動!」と「素晴らしい!」の文字が並び、改めてあの日の様子を思い出し感激に浸ると同時に、これからの活動に心を引き締めていかなければならないと思っています。

この十年間お世話になった皆さん、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。