活動レポート

鴻沼福祉会コンサート2012『結いまーる 沖縄と東北によせて』【埼玉県さいたま市】

2012年7月16日

2012年7月16日、浦和の埼玉会館大ホールを会場に社会福祉法人『鴻沼福祉会』が主催する文化企画「鴻沼福祉会コンサート」がおこなわれ、第二部に荒馬座が出演しました。

鴻沼福祉会』は、埼玉県さいたま市中央区を拠点として、身体・知的・精神の各種障害者授産施設の運営や、生活や就労に関わる地域支援の活動を幅広く展開している社会福祉法人です。

この公演は、当初の2011年3月21日上演の予定が東日本大地震の影響で開催が延期となり、その後の関係各位のご尽力により、この7月に改めて『結いまーる 沖縄と東北によせて』と題しての上演が実現する運びとなったものです。

第一部に出演した沖縄出身のシンガーソングライターの普天間かおりさんは、3・11に福島での生放送中に東日本大震災に遭い、その後幅広く被災支援活動コンサートなどをおこなっています。

第一部に、普天間かおりさんと仲間たちのコンサート。

第二部に、荒馬座と仲間たちと一緒になって創る舞台。
それぞれの作業所の仕事の様子を踊りと唄で表した沖縄の唄と踊り「まみどーま」、工夫の凝らされた手作りの「虎舞」で舞台をにぎわせてくれました。

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暮れにセンターの改修で床を張り替えたばかりで、施設も職員や利用者の皆さんも気分の一新したところでの、今回の「新春の催し」の企画でした。まずは、春を呼ぶお囃子を楽しんでもらい、「獅子舞」で皆さんを噛んで回り今年1年の厄除け厄払いをしました。そして、「ソーラン節」では利用者の方に太 鼓の応援で参加していただきました。

フィナーレは、普天間かおりさんの「豊年音頭」で、舞台と客席のみんなでカチャーシー。

『鴻沼福祉会』の仲間たちと『みんなの風福祉会』の仲間たちと会場いっぱいに来てくれた方々の一緒に楽しい舞台をつくりました。

鴻沼福祉会コンサート2012『結いまーる 沖縄と東北によせて』制作後記:宮沢正光(ふぉるく)


さいたま市で18の施設を運営する鴻沼福祉会のコンサートは、「障害をもつ仲間たちが主役」というコンセプトで、かれこれ30年続いています。
 「私たちのことを私たち抜きで決めないで...」これは、障害者福祉をはるかに後退させた「障害者自立支援法」に対する抗議の叫びです。折から注目されている沖縄の人々の思いと重なりました。そのモチーフから、沖縄の芸能に取り組んできた荒馬座と沖縄出身で「結まーる」の心を歌っている普天間かおりさんの出演企画が誕生しました。
これまでは、アーチストといっしょに歌ったり、仲間たちの願いを朗読などで綴ったりしてきましたが、太鼓や踊りなどの民族芸能を取り組むのは初めてです。

各地の障害を持つ仲間たちと舞台を作ってきた荒馬座の発揮どころです。日頃の作業所での仕事を「まみどーま」として表現したり、沖縄風にアレンジした「こうぬま結まーる囃子」の太鼓、そして普天間かおりさんといっしょに歌うチーム、最後に両者と鴻沼福祉会の仲間たちほぼ全員が入り交じってカチャーシーで盛り上がろう、という盛りだくさんの企画になり、各作業所で大わらわの準備・練習が始まりました。

昨年予定した本番前最後の合同リハーサル前日、東日本大震災が襲いました。コンサートは中止延期となり、一年半を経て、その企画は復活しました。大震災のあった東北には、荒馬座も芸能の関わりで、普天間さんもまた、ラジオ福島出演を通して、地元に入っています。鴻沼福祉会も現地に何度も支援活動に行きました。 こうして、「沖縄と東北によせて」と副題がつきました。新たに虎舞にもチャレンジ、沖縄・東北そして障害者福祉の3つのテーマに、荒馬座と普天間かおりさんと鴻沼福祉会の仲間たちの三者のコラボレーションがみごとに織りなす、熱い舞台となりました。