活動レポート

鼓舞志の会「南部よしゃれ体験講座in雫石」-この土地で、半世紀以上も踊り続けてこられた方々の踊りに触れて-

2007年7月14日〜2007年7月16日

今年も昨年に引き続き、地元の雫石町での「南部よしゃれ体験講座」をおこないました。
今年は地元の保存会の方々に手ほどきをいただきました。

今年で4回目となる「南部よしゃれ」体験講座は、雄大な岩手山の裾野に広がる岩手県雫石で行い、南部よしゃれの保存会(上長山無形文化財振興会)の顧問をされている村上ちせさんに直接手ほどきをいただきました。

鼓舞志の会では、民舞の教材化の視点を学ぼうと、小野寺澄子先生(岩手民舞教育研究会)を講師にお迎えして14年間にわたって体験講座(さんさ踊り・南部よしゃれ)を開いてきました。岩手民舞研が「南部よしゃれ」を教材化するにあたって、もとにしたのが、村上ちせさんの踊りだったのです。
講座の初日、まず、ちせさんに私たちの踊りを見ていただき、チェックを受けました。そして手踊りの基本である手の所作や、振りの違いを教えていただきました。

2日目は、保存会の千葉テルさんにも指導をいただきました。千葉さんは、50年以上も前から、ちせさんとともに南部よしゃれを踊ってこられた方です。お二人の踊りは、しなやかで優雅、そして岩手民舞研の先生方が追究されてこられた「体の軸や芯」が感じられる美しい踊りでした。この日も私たちの振りの違いを数か所直していただきましたが、小野寺先生から学んできたこと...「体の軸を感じ、ぶれないように踊ること」の大切さをあらためて感じ、それがしっかりとできれば、どのような振りでも対応していけるということを確認することができました。

また、この日は岩手県水沢の民舞サークル『たけのこ』の方たちとの合同稽古となりました。『たけのこ』は、小野寺澄子先生が指導をされていた水沢農業高校のOBの方たちが立ち上げたサークルです。例年行われている「全国南部よしゃれ大会」に今年の8月26日に出場されるということで、出場間近のこの日、一緒に稽古することになったのでした。「あねっこ」の衣装をつけた『たけのこ』のみなさんに刺激を受け、私たちの稽古にも熱が入りました。

3日目は、自分たちで学んだことを確かめ合いながら稽古。ちせさんにその成果を見ていただいて講座は終了。

南部よしゃれが生まれ育ったこの土地で、半世紀以上も踊り続けてこられた方々の踊りに触れることのできたとても贅沢な、そして貴重な体験講座でした。

〔荒馬座企画制作部準座員〕青野淳子